2009年9月22日

Sep20th New York 3rd day



午前6時に起床、そして今日も快晴。

今回のニューヨーク旅行こそ、ここに行こうと決めていたから。
今日はマンハッタンから電車で約80分の場所にある
とある美術館を訪ねます。
手早く身支度を済ませて、Subway-S Lineを使ってやってきたのは
グランドセントラル駅。
午前9時52分発のHudson Lineに乗って目指すはBeacon Stationです。

マンハッタンから往復すると30ドル以上するらしいが、
美術館のチケットと電車の往復で29ドルと
大変お徳なチケットがあるらしい。
窓口で聞いてみると、「あるよ」とのこと。
確かに29ドルちょっとで購入できた。
順調なスタートでほくほく。




外国に行っていつも思うのは駅の美しさ。
イタリアもフランスもフィンランドも、
みな駅はノーブルで迫力があった。
グランドセントラル駅は、私にとって中でも断トツに素晴らしい駅。
高い天井と窓から降り注ぐ光を見ると、まるで教会にいるような
すーっとした気分になる。

ぼんやりと眺めていて今頃気づいたけど、広告が一切ないのも
その理由の一つかな。
日本の駅は広告のポスターや掲示板だらけ、
そして蛍光灯の光が強烈だけど、
そういうケバケバしいものがないのも好きな理由だ。




まだ午前8時だけど、地下のフードコートが開いていたので、
早い朝ごはんをたべる。
ホウレンソウ&ベーコン&卵&チーズがモリモリ入った
プレスサンドマフィンと大好きなつぶつぶ入りのオレンジジュース。
マフィンが2ドル50セントに対して、オレンジジュースは
目の前で絞っていただけあって4ドル近かった。
ライブでつぶつぶが入ったところを見られたので、
まぁ4ドル払ってもいいか。

食事中に隣に座った人が、
「そのサンドイッチをどこで買ったのか」と聞いてきた。
随分素早いやりとりだったけど、あんまり考えずに答えていた
自分にウットリ(笑)ようやく英語に慣れてきた証拠だ。
英語がきちんと通じるなんて基本なんだけど、やっぱり嬉しいなあ。


Hudoson Lineはその名の通り、ハドソン川沿いを北上していく路線。
マンハッタンを流れていた川は、ちょっと北に行くとベッドタウンの間を流れ、
さらに行くと山や渓谷に囲まれたワイルドな川に変身する。
日曜日とあって、川沿いではカヌーを楽しむ人やハイキングをする人、
ベッドタウンではクラシックカーのイベントが開催されていたり、
のんびりした休日のアメリカの姿が見られて楽しかった!


そうしてやってきたのは、




Dia:Beaconという美術館。
Dia財団が所有する現代美術コレクションをまとめて
公開している場所です。

前職場で一緒だった、元ニューヨーカーで
元カイカイキキにいた女の子が、「東海岸なら、ここの研究施設が一番」と
言っていた場所で、その頃からとても気になっていた。
聞いた当時はまだ一般公開しているような状態ではなかったけど、
ここができて、是非とも来たいと思っていた。





館内の撮影は一切禁止。
もともとナビスコの工場だった場所をリノベーションして美術館空間に
したとあって、館内は超巨大です。

一部屋は大きなものだと体育館ほどの大きさがあり、
部屋ごとに、ウォーホル、ジャッド、ボイス、ハイザー、リヒターなどなど
大御所の作品が並びます。

開館直後だったからか、人もまばら。
巨大空間にゆったりと並ぶ作品をゆっくり向きあえるなんて、
本当に幸せなひと時。
工場の天窓から降り注ぐ自然光がまた良くて、
電灯のコントロールされた光ではなく、
太陽の光の中で作品を見る素晴らしさは初めて体感したような気がします。

特に大感動だったのが、セラの巨大立体。
太陽の光がさんさんと降り注ぐ空間いっぱいに置かれた
鉄板の作品が強烈で、監視員の人に怪しまれるほど、
何度も見に行ってしまった。

大げさだけど、感動して泣きたくなるほど。
これまで見た美術館の中で、間違いなくNO.1美術館です。
来て良かった!





感動しすぎて、乗るべき電車に乗り遅れました。
1時間に1本しか電車がないのに。手痛いミス!

どうやらビーコンという町のメインストリートは駅から離れている様子。
あんまり離れて、再び電車を乗り過ごすのも避けたいので、
仕方なく駅前に出ていたファーマーズマーケットで暇をつぶす。

パン屋さん、八百屋さん、マフィン屋さん、金物屋さん、ジャム屋さん・・・・。
何度眺めても5店舗だけ。
15分ほどで飽きてしまうラインナップ。あー、どうやって暇つぶそう。




ちょっと歩いてみても、この様子。
ただ高級住宅街が控えているらしく、こんなのどかな場所なのに
ベンツやBMWやらトヨタのいい車がばんばん通っていく。




猛烈な暑さ&空腹で、近くを歩いていたものの
寂しい気分になってきた。観念して駅にもどり、
現在凝っている「アップルシードル」をファーマーズマーケットでゲット。
こちらも大変美味しく、2ドルという安さ。
日本にもこういう飲み物がほしい!

しかし、飲み物では空腹は満たされず、
ホラ貝のような大きさの巨大クロワッサンを購入。
アメリカの大きなパンはたいてい美味しくない。
パリものは特に不味い。以前、巨大なマカロンを買ったのだけど、
砂糖の塊のようなザラザラとした食感と、
ハチミツをそのまま入れたようなネッチョリとした食感に、
一口でギブアップしたことがある。

巨大クロワッサンを食べて「案外イケる!」と思ったのは、
遭難並みにおなかが空いていたのか、
それとも本当に美味しかったのか、もはや判別がつかない。

とにかく、巨大クロワッサンは写真を撮る間もなく、
一気に食べてしまった。



ようやく、電車がやって来る時間。
駅のホームも賑わってきて、この1時間をしみじみと振り返ってしまう。
何もないホームをくまなくチェックしていると、
朝はなかったナゾの看板が登場。
ダンボール使いのプロ、日比野克彦さんも驚くであろう、
かなりDIY精神が息づいた看板です。

これはコーヒーショップをチェックせねば!




インパクト大の看板を掲げていたお店はこちらでした。
なーんだ。

ついでなので店内をチェックしたところ、黒人の店主と白人の客が
「××ペストリーはないのかよっ」的な言い争いをしているところだった。
しばし聞いていたものの、こんなパンのケンカに巻き込まれて電車でも
逃す事態になったらタイヘン!・・・とA型的心配が沸き起こり、
そそくさとお店から退散。

とにかく、電車に乗ってマンハッタンに戻りたいのです。


そうして約80分電車に揺られ、無事にマンハッタンに着いたのは
午後4時ごろ。




急いでマンハッタンに戻りたかったのは、ホイットニー美術館
開催されているダン・グレアムの展示が見たかったから。
今日を逃すと、週明けは帰国の時まで閉館なのだ。

急いで館に入ると、「閉館近いから料金はいらないよ」だって!!
18ドルもする入館料がタダとは素晴らしい。
とはいっても閉館まで1時間以上あったので、
比較的ゆっくり企画展を鑑賞する。

ダン・グレアムのまとまった展示を見たのは初めてだけど、
「大変前衛的」な展示がとてもホイットニー的。
解説の英文も難しく、理解可能な作品だけをスキップ気味でみていく。
彼の特徴でもあるミラーやビデオなど、
特殊な記憶装置を使った作品が体験できる。

一番ユニークなのは、時間のズレと画像を組み合わせた作品。
自分の後姿やさっきまでの行動が微妙にズレて鏡に映し出されていく。
見えるはずのないものが見える不思議さが、とても楽しい。

けれども、Dia:Beaconのパンチのある作品に集中したせいか、
文化系の集中力が欠けてしまった。
お昼がクロワッサンだけだったせいかな?





さて、レジデンスに一度もどってちょっと一休みした後、
出かけたのは34stの韓国人街。
24時間営業だという韓国料理屋さんで、
同時期にNYに来ていた友達と合流。
久しぶりに日本語が話せて、わーわーと盛り上がった。

お酒も飲んですっかり楽しい気分になり、
「NYのクラブに行って踊ってみたい!」と
はしゃいだけど、彼の友人に聞いてもらったり、
i-phoneで探せども探せども日曜日はことごとくクローズ。
うむむー、残念!

何はともあれ、すこぶる楽しい一日だった!


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