2009年9月28日

抹茶七変化



築地のお茶屋さんから、「お茶のイベントがあるから是非」とお誘いいただき、
遊びにいってきました。
毎回テーマを変えたイベントで、今回は「抹茶」。
抹茶のカクテルから始まり、濃茶にマシュマロをつけて食べる斬新なものまで
毎度趣向を凝らしたメニューが出て、多彩です。

今回一番感動したのがこの「もなか」。
驚くほど甘くなく、抹茶の苦味がきいた特製アイスが挟まっています。
これが本当に美味しい!!
「アイスもなかは売らないの?」と聞くと、
このイベントで出すものは一切売る気がない、とのこと。

次のイベントが楽しみです。

2009年9月25日

日本社会に復帰



本日から日本社会に復帰。
机は郵便物でうまっていて、メールを開くと250通!

この連休、散り散りに旅行に出かけていた同僚と、
「どこ行った」「何をした」「何をたべた」といろんな旅話を聞くと、
「あー、日本に帰ってきたんだ」としみじみ思う。

今日来ているキャミソールはアメリカで洗濯してきたせいか、
強烈にアメリカの臭いがする。
たまにフワッと臭うアメリカの香りをかぎながら、
がんばって仕事をする。

2009年9月24日

Sep23th New York→Atlanta→Tokyo



午前6時起床。
掃除をしたり、荷物をパッキングしたりして午前7時半に迎えにくる
シャトルを待つ。

午後9時前にJFK空港に着いて、チェックインをするが
「あれ?予約が見つからないわ」とグランドホステス。
心の中で、
「見つかるな~、『明日にフライトを変えてちょうだい』と言え~」と
少しでもアメリカに長くいたいから、トラブルを心の中で願うけど、
「あー、あった、あった。あなた、ノースウェスト経由で予約してるから、
見つかりにくかったのかしら」と爽やかな笑顔でチケットを差し出された。
あー、残念。

実はひそかに楽しみにしているのが、「ディレイ(遅延)」。
帰国便はアトランタで乗り継ぐ予定なのだけど、
乗り継ぎ時間は1時間しかない。
国際線はゲートが閉まるのが早いから、
JFK発のNY→ATL線が少しでも遅れると、
日本行きの飛行機は乗ることができない。

となると、翌日のフライトに振り替えだから、
運良くアトランタにも1泊できる・・・という変な魂胆。
実はサンフランシスコとニューヨークのほかに、
アトランタの観光スポットまでチェックしていると言うと、
「ほとんど病気ね」と我がハハは呆れていた。

上司にまで、「場合によっては、帰国が1日遅れる」と
笑顔で伝えていたし、数日前から「ディレイによって帰国できないから、
明日のフライトに振り替えてほしい。ホテル代もほしい」という旨の
英文も考えていた。

準備万端!


ニューヨークでの最後の食事。
ちょうど高級スーパー「バルディッチ」の支店があったので、
「トリプルチーズサンド」とスープ、大好きなつぶつぶ入りオレンジジュース!

おいしい~と思っていたら、アトランタ線の21番ゲートに増えてくる日本人。
くー、「帰国便」という雰囲気が強まってきて、いやな気分だわ。

午前10時半、機内登場開始。
ここまで順調だけど、JFK空港は離陸ラッシュになると滑走待ちに
30分とかかかるんだよね~・・・と席に座って腕組みしながら、
滑走路の込み具合を気にする私。

ところが、午前11時、本当にジャスト午前11時に予定通り離陸!
ひどい、予想外の予定通り。
アトランタ空港が混みあっていて、着陸に時間がかかるかも。
そんな泡のような期待をしつつ、2時間40分ほどのフライトを楽しむ。

アメリカでは飛行機の中で無線lanのインターネットが楽しめるのです。
1回15ドルもするので、長いフライトならいいけど、
短いフライトはちょっと損。JFK空港で「Wifi on boardキャンペーン」の
クーポンをもらったので、1回無料トライアルを試してみる。




おお、意外と簡単につながった。しかも、空の上とは思えぬ速さ。
日本もこうなったらフライトが楽しいし、
是非とも国際線でこうなってほしい。アメリカ大陸の上空で、
日本のニュースをチェックする。



ちょっと暇になったので、機内誌をチェックしたところ、
大変おもしろい商品を発見した。
左は、「巨大カップケーキが簡単に作れる焼き型」。
右は、「ケーキの端っこ好きのために、
端っこがたくさん作れるブラウニーの焼き型」。
クランチーな食感がたくさん楽しめます・・・だって。
ははは、バカっぽいなー。

さて、そろそろアトランタ。腕時計をみると、午後1時。
むむ、on Timeではないか!

午後1時20分、着陸。
本当に恐ろしく定刻に着陸した。
アメリカよ、いつから律儀に時間を守るせこせこした国になったのか。
アトランタ空港でひざをついて泣きたい気分になった。

足をひきずりながら、日本線のゲートへ向かう。
「全米一広い空港」という異名を持つアトランタ空港。
30~40分遅れれば、確実にアトランタに1泊だったはずなのに~。




残念ながら予定通りの便に乗れてしまった。
ビールで悲しい気分を紛らわす。
こうして13時間のフライトを経て、日本に安全に
健康な身で帰ってきたのです。


サンフランシスコももちろん楽しかったけど、
今回はニューヨークがとにかく楽しかった。
国連が始まってからは騒々しかったけど、
いつも以上にラグジュアリーなニューヨークが印象的だった。

朝から黒いリムジンが5番街を走り回り、
夜になると、ペニンシュラやフォーシーズンズ、
セントレジスなどの高級ホテル前は、タキシード姿の男性で
いっぱいになった。午前7時前から高層ビルのオフィスに向かって
険しい顔で通勤する人を見たり、仕事前に必死にセントラルパークで
運動する人々を見ると、この街で暮らすことがいかにハードかを思い知る。

けれども、そうしてまでもすがりたい魅力が、
ニューヨークには山盛りあると思った。
美術もファッションも音楽も、素晴らしいものに
触れたければすぐそこにある。なによりも、都会で便利な東京よりも、
街も人もとても元気だった。新しいことをしようとするパワーも感じたし、
街がどんどん進化しているところも印象的だった。

行き残したところもたくさんあるし、
航空券を買うお金ができたら、またすぐにでも行きたい。
というか、やはりアメリカに住みたいなあ。

Sep22th New York 5th day



今日でマンハッタンも最後です。
朝ごはんはちょっといいところで食べたいと思い、
セントラルパーク前の「Sarabeth's」というお店へやってきました。

昨日から、国連総会が始まったニューヨーク。
地下鉄や美術館など、人が集まる場所ではことごとく
荷物チェックが行われています。
ここ、セントラルパーク付近には高級ホテルが多く、
そのためレストランに行くにもひと苦労。
道路を、SPや警察が埋め尽くしているので、
屈強な男性SPをかきわけて、ようやくレストランに到着。
たぶん、私のレジデンスからは普通に歩けば10分程度なのに、
30分くらいかかった!

注文したのは、シナモンワッフル。もちろん美味しく、
そして「夕ごはんまでおなかが減らなさそう」なヘビーさ。
セントラルパークを行き交う品の紳士・淑女、マラソンランナーを
眺めながら食べました。楽しいねえ。

でも、チップも入れてトータル20ドルちょっとしたので、
お値段はやはり高級ホテル並みです。





今日はチェルシー付近のギャラリーをみてまわることにしました。
よく雑誌に出ているようなギャラリーは、やはり見やすくて
面白いことが多い。

今回、「あー、NYに来て良かった!」と思ったのは、
PACEWILDENSTEINで開催されている、彼女の展示をみたときだった。



なんと、大好きな建築家&アーティストのMAYA LINが大きな作品を
展示していたから。






昨年見たワシントンの戦没者慰霊碑もとてもよかったけど
こういう作品もとても素晴らしいと思う。
高さがちょっとずつ違う木の立体(水平面は2×4)を
5万個積み重ねてできたウェーブ状の巨大立体作品が、
ギャラリーを埋め尽くしていました。
「2×4 Landscape」というタイトルで、地形学と建築学を
ミックスさせたようなおもしろい作品でした。

今頃気づいたけど、ギャラリーの天井部分がとてもおもしろい。
かつて木造の倉庫だったのか、リノベーションしたギャラリーの
天井の多くに、ログハウスのような立派な木の梁が残っていた。

その木造の残し具合が一番面白いと思ったのは、GAGOSIAN GALLERY
ついでに、展示していた村上隆の作品が本当によかった。
蕭白の獅子を引用したもので、グラフィカルな画面と、
でも近くでみるとすごく手の込んだ加工がしてあって、圧倒的な迫力。

日本で「アニメ」な感じの作品を見ても、特段感動したことはなかったけど、
こういう一点ものの作品は、やはり素晴らしい。
「アニメ」「おたく」的な作品じゃないと、
アメリカ人は納得しないのではないかと思ったけど、
見る人が私同様、絵の前からしばし離れず、
近寄ってみてディテールを確認したり、離れて構図を
確認したりしているところをみると、評価された作品なんだろうと思った。

SANAAにしても、村上隆にしても、
日本のクリエイティブセンスの高さは、とても評価されているような気がした。
MOMA STOREだって、別館の1/3は無印良品。
売り場面積の結構な割合をJapan Madeが占めているし、
本当に誇らしいことだと思う。



コムデギャルソンのチェルシー店。
毎度、毎度、この入り口のかっこよさは胸打たれてしまう。





午前中からハイペースで素晴らしいものを見て大満足だ。
「The Empire Diner」でしばらく休憩。
そういえば、アメリカでちっとも野菜を食べていなかった・・・と思い、
ランチはヘルシーにチキンシーザーサラダを注文した。

ラーメンボウル並みの大きさの器に山盛りのレタス。
胡椒とビネガーが効いていて、大変おいしい。
今日は曇り気味だけど、席が空いていたので外の席でごはんを食べる。





エネルギーをチャージしたので、さらに歩く。
話題の「ハイライン」を見にきました。
昔、大学の課題で「昔の線路跡に沿って緑道にする」ってプランを
出した人がいた。ありそうでなかったプランの実現版。

Diller Scofidio+Renfroの設計。





貨物列車の高架がこうして遊歩道に変身しました。
平日だったせいか、あちこちのベンチで近所の会社員らしき人たちが
お昼を食べていた。

テーマパークっぽくなっているのかと心配したけど、ただの遊歩道。
でも、そこがすごく良かった。
変にパブリックアートが置いてあったり、
こどもの遊具が置いてあったりすると興ざめだし、
近くの人がのんびり散歩したり、ちょっとお茶したりするだけの
シンプルな遊歩道がよかったなあ。

きちんとランドスケープの人が関わっていたようで、
植わっている植物もシンプルで素敵だった。
ハーブなのか、香りもよかった。
日本だったら、パンジーと
福神漬けのような花を咲かせるベゴニアを植えそう。
(完全にアメリカびいき)




遊歩道の途中には、こんな風景が見える見晴台的な場所もありました。
チェルシーはレンガ造りの古いアパートが
多い場所だったけど、ギャラリー街ができて、
ミートパッキングエリアがおしゃれになって、
ハイラインもできてとどんどんキレイになった。
そのせいか、新しいコンドミニアム&ホテルも建設ラッシュだった。
坂さんのビル、ゲーリーのビル、ジャン・ヌーベルのアパートも確認。
どんどん変わっていくんだろうな。
ハドソン川が見えなくなったりして。



こちらは、唯一のアート作品。
ガラス窓の部分です。

近くのお店に寄りながら、グリニッジ・ビレッジのほうへ歩く。
マーク・ジェイコブスのアクセサリーショップは
入場制限をする人気ぶり。前回、アメリカで買い損ねた
「rag & bone」の路面店にも行ったけど、ジーンズ1本240ドルと
それなりのお値段なので諦める(でも、素敵だった)。




前回も見たので、「今更・・・」とも思ったけどついつい来てしまった、
Sex and The Cityのキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)の家。
家の前にはファンらしき人はおらず、じっくりと鑑賞する。

今、二作目の映画の撮影をしているらしいから、
「狭いニューヨークだし、ひょっとしたら撮影に出くわすかも!」と
無駄に胸をときめかせたけど、そういう人に限って
会えることはない。ここでずーっと待ち構えていると、
いつかサラ・ジェシカに会えるってことかな。




初めてやってきた「Greenwich LETTERPRESS」。
活版印刷でカードを作っているお店です。
もう、すばらしくかわいくて、どのカードを買おうか悩んで、
お店に1時間近く居座ってしまった。
オーダーメイドでカードを作ってくれるらしく、ニューヨークに住んでいたら
是非名刺を作ってもらいたいなあ。




午後4時。
FAOシュワルツにきて、バービー人形をチェック。
バービー界にもギャル化の波が押し寄せているのか、
ラメ系のへそ出しキャミにスキニージーンズを着用していた。
絶妙なヤボったさも残っているところが面白い。

ケイト・モス版とか出したら、すごく売れそうなのに。




巨大ピアノで無邪気に遊ぶ男性。
何かの曲を一生懸命弾こうと真剣にがんばるので、
こどもが蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。




私のアメリカ旅行も最終日。

今夜はNYに出張で来ている友達と、Blue Noteの2ndステージを
見に行こうということになっていた。約束は午後8時。
FAOシュワルツにいた時から、バービーの小道具の
「ホットドッグ」を見るだけで、美味しそう・・・と思うほど空腹だった。

あと3時間ほどある・・・ということで
空腹に耐え切れなくなった私は、「第一の夕食」をとることにした(笑)
今回、一度もベンダーのごはんを食べていなかったので、
夕方までヒルトンホテル近くに出ていた屋台から、
スブラキごはんを購入。こんなボウルにモリモリ入っていて5ドル!!
やっぱり安い。

残っていたサラダミックスをあわせて、しっかりとしたディナーが完成。
この屋台ごはんが本当に美味しい!
相変わらずだけど、9日間、一切日本食が恋しくならず、
「やっぱり私はアメリカで大丈夫」と変な自信だけはついた。

さて、持ち物はお財布とメトロマップという軽装で夜のジャズクラブへ。
初めてきたクラブでは、体を揺らしてみんな本当に楽しそう。
ドアを開けたときはすでに大盛り上がりだった。
ジャズのことはよくわからないけど、音楽を心底楽しむ人たちが
見られて本当に満足。
午前2時ごろ、タクシーで部屋まで戻った。

玄関にたどりつくと、なんだかとても悲しい気分になった。
日本に帰るのもイヤだし、
何よりニューヨークから去るのが寂しくて仕方ない気分。
今までニューヨークは何度か来ているのに、
こんな気持ちになるのは珍しい。

2009年9月22日

Sep21th New York 4th day

昨夜は随分遅くまでフラフラとしてしまったので、
朝はレジデンスでだらだらして過ごす。
ランドリールームで洗濯をしたり、その間掃除機をかけたり。
午前10時すぎに部屋を出る。
本日も快晴です。



やってきたのはチャイナタウン。
実は一度もちゃんと見たことがなかった。
街に新しい建物が立ち、どんどんきれいになるニューヨーク。
それなのに、チャイナタウンは変化があまりないらしい。
「中国バス」という(たぶん不法な)長距離バスが発着していて、
噂ではボストンまで片道10ドルとか。
乗ってみたい~。




血筋なんだろうけど「餅屋」という表記には敏感な私。
チャイナタウンの「餅屋」とは、どうやらお菓子屋のことらしく、
マーラーカオ(蒸しパン)やおなじみのエッグタルトが
無造作に、でも最高に美味しそうに積みあがっていた。

お菓子のウィンドウショッピングを楽しんでいたところ、
あれは「中国バス」では?と思うような怪しい白いバンを発見。
おばあさんがお札を渡してバンに乗り込んだのだ。
でも、特に汚い感じでもないし、この普通のバンで10ドルだったら
私も乗って、ボストン美術館に行きたいなあ。



ゴチャゴチャした雑貨屋さんが楽しくて、じっくりと見ていく。
「ムーミン風」のずん胴の白い動物が描かれた
お風呂椅子(って、外国も使うの?)が気になった。
物事にとらわれることなく、自由に模倣ってところがいい。

これまで海外からヤカンもフライパンも鍋も持ち帰ったことがあるけど、
さすがにお風呂の椅子を日本まで持ち帰るのは難しい。
残念だなあ。




今日チャイナタウンにきたのは、「飲茶」を食べるため。
本によると、ニューヨークにも高級中華料理の「福臨門」があって、
お昼の飲茶が安くておいしい、とのこと。

ウィークデーの月曜日、午前11時・・・とあって、お客さんは数組。
ラッキーだ☆




エビシュウマイ、スペアリブのトウチソース蒸し、はすの葉チマキ、
エビの米粉蒸し・・・を選んだけど、本当においしい!
驚異的な食欲なのですが、この4種類をペロっと食べてしまったのです。
これで15ドル!安い~。
日本で食べると最低でもランチで5000円、ディナーで1万円はするのに。




「福臨門」で杏仁豆腐を食べなかったワケはこちら。
デザートはここのお豆腐スイーツが食べたかったのです。

しかし、店は驚くほど簡素なつくり。
袋に詰められた豆腐が「大」「小」と分けて置いてあるだけ。
あとは蓋が閉まった鍋があるのみ。
「あの~、何売ってるの?」と英語で聞くが、
お店の人は中国語しか話せない様子。
「ホワット!?」と繰り返してきいて、答えてくれたのは「トーファ~」。

そうそう、探していたのはたぶんそのお菓子。




近くの公園のベンチでその「豆腐花」を食べる。
サンフランシスコもそうだけど、チャイナタウンにある公園は面白い。
変な「健康体操」に勤しむ老人が、あちこちで運動している。
今回気になったのは、ひたすら岩をなでる老人。
写真に(できれば動画で)撮りたかったなあ。

苦労して購入した「豆腐花」は、絹ごしの豆腐にシロップを
かけたような味だった。にがりのような味もほのかにします。
飲茶を大量に食べたあとにもかかわらず、
絵筆を洗うバケツほどある「豆腐花」をペロっと平らげてしまった。
これで1ドル!




チャイナタウンから歩いて、SOHOまで来ました。

こちらトッズのクリエイティブデザイナーも務める
「DEREK LAM」のお店。高級なので当然買えないけど、
店舗設計がSANAAなので見にきたのです。
外からうかがうと、東京都現代美術館で見た展示と同じように
アクリルを使った空間が!

意を決して入って、ドアマンに「Hello」。
そして、ぐるっとお店を見て、「写真を撮っていいか」と聞いたとき、
置くから品のよい紳士が出てきました。
私が服ではなく、あからさまに空間を見ている私にピンときたようで、
「撮影はダメなんだ。でも、聞いてくれてありがとう」のあと、
「ここはSANAAが作った空間。すごく美しいよね」と
一所懸命説明してくれた。
なんていい紳士なのかしら。

それにしても美しい空間。
厚さ3センチほどのアクリルが繊細で、でも力強くて、
そしてレンガの空間とぴったり合っていて素敵だったなあ。




月曜日なので、SOHOも裏の道は空いている。
あー、本当に素晴らしい天気☆・・・とのんびり歩いていて、
地図を見直したところ、さきほどの「DEREK LAM」のそばに、
「Opening Celemony」があったのだった!
見逃したっ。Tut!!





本当に暑い日で、カフェのベンチでひと休み。
レモネードを飲みながら、ボーっとするだけで楽しい。



歩いていたら、最近できたばかりっぽい本屋さんを発見。
「McNALLY JACKSON」というお店で、人気ドラマの「Gossip Girl」の
撮影にも使われたらしい(と雑誌にあった)。
すべて新刊のせいか、ラインナップがイマイチつまらない。




それよりも素晴らしいお店はこちらのほう。
SOHOのど真ん中にあった「Housing Works Bookstotre cafe」。
古本のセレクトが楽しく、お店の雰囲気もすてきだった。




奥はカフェスペースで、大学生らしき人たちが猛烈に勉強をしたり、
近所の人がお茶をしていたり、とにかくいい感じの空間だった。


続いての熱狂はこちらの店で。
「steven alan」はセレクトショップでたびたび見たけど、
路面店に来たのは初めてだ。
シャツやジャケット、セーターなどトラッドなアイテムが多く、
日本で見たときも、「かわいいなあ」と思ってたけど、
現地で見るとなおさらかわいい。
日本よりは格段に安いので、たまらず水玉のシャツを購入してしまった。
店ごと買い占めたいわ。



再び、SANAA建築。
何度見ても、魅力的な建物です。
昨年見学したけど、今回も見学したかったなぁ(この日は休館日)。

このまま突き進んでLower East Sideのほうへ歩きます。





わざわざLESにやってきたのは、ここのカップケーキ屋さんに
来たかったから。名前は「Suger Sweet Sunshine」というお店です。
午後4時くらいだったけど、カラフルなカップケーキが残っていました。
ラッキー。



本当はカラフルなカップケーキが食べたかったけど、
苦手な「ミント」味だったのでやめる。
左はピスタチオ、右はレモン。
アメリカのお菓子にしては、スポンジ部分が甘さ控えめで美味しい!
よく歩いておなかが空いていたので、いっきに食べてしまう。





お店では近所の高校生たちがなにやら楽しそうにお話中。
この女の子たち、ものすごいオシャレな高校生だった。
どうってことないリュックで特別高価なものは身に着けていないのに、
サラッと着たジーンズや、古着っぽいベロアのジャケットが
とてもおしゃれだった。

「ニューヨーク・ストリートスナップ」とか、雑誌の企画があったら
間違いなく載せたい雰囲気の子たちだった。
楽しそうに話しながら、ケーキを何個もパクパク食べる!
それであのスタイルなんだから、若いって素晴らしいことだ。

この後はLESのお店をまわる。
6年前、このあたりを通ったときは、夕方になると物騒な感じだったけど、
面白いセレクトショップや古着屋さん、美味しいカフェが並んでいて
SOHOよりもこちらのほうがずっとおもしろい。
ハイブランドと一緒に、作家が作ったようなハンドメイドのアクセサリーを
一緒に売っていたり、すごくセレクトに凝った古着屋さんがあったり。
くまなく回っていたら、とても時間がかかった。

急いでアップタウンに戻り、最後のショッピングスポット
「バーニーズ・ニューヨーク」へ!!
1年で一番楽しいショッピングの時間だ。
上から下まで、2時間ほどかけてウロウロする。
もっとも楽しいのは、やっぱりcoopのあたり。ちょっとリーズナブルだし、
日本には入荷していないブランドの面白い洋服が見つかることが多い。

「いいじゃな~い!!ブーツとか合わせたら最高だと思うわ!」とか、
相変わらず大げさに、そして面白いことを次々言ってくる。
特に、ゲイの男性店員。
「あなたのブラック・ボブ、最高にクールだわ。アメージング!!」とか(笑)

夕方の靴売り場はさらに楽しい。
ものすごいハイファッションのおばあさんが、
ルブタンの靴を試着していたり、今回は近所から犬の散歩がてら
(犬連れで靴売り場に来ている)、買い物にきていた。
このあたりの高級マンションに住んでいるような人は、
犬の散歩がてら、バーニーズでシャネルを買うのね。

そうこうしていると、すっかり夜。
今夜のディナーは、こちら。
なぞの「ハンバーガーショップ」です。



こちら、カーネギーホール横にある高級ホテル
「ル・パーカー・メリディアン」の中。すてきなフロントのすぐ横の
ベロアの幕をかきわけると、怪しいハンバーガーのネオンが光ります。
なんと、そこがハンバーガーショップの入り口です。






ロビーには音もせず、においもせず。

店に一歩入ると、普通のハンバーガー屋さんです。
「バーガー・ジョイント」というお店が入居しているようで、
ホテルの宿泊者や近所のサラリーマンで午後9時にも
かかわらず大混雑。しかも、高級ホテルの中なので、
来ているお客さんも素敵な感じです。加えて、現在国連開催中。
「勤務中、だよね?」という雰囲気のSPが、
耳にイヤホンをしながら入店してきたのはおかしかったなあ。

Sep20th New York 3rd day



午前6時に起床、そして今日も快晴。

今回のニューヨーク旅行こそ、ここに行こうと決めていたから。
今日はマンハッタンから電車で約80分の場所にある
とある美術館を訪ねます。
手早く身支度を済ませて、Subway-S Lineを使ってやってきたのは
グランドセントラル駅。
午前9時52分発のHudson Lineに乗って目指すはBeacon Stationです。

マンハッタンから往復すると30ドル以上するらしいが、
美術館のチケットと電車の往復で29ドルと
大変お徳なチケットがあるらしい。
窓口で聞いてみると、「あるよ」とのこと。
確かに29ドルちょっとで購入できた。
順調なスタートでほくほく。




外国に行っていつも思うのは駅の美しさ。
イタリアもフランスもフィンランドも、
みな駅はノーブルで迫力があった。
グランドセントラル駅は、私にとって中でも断トツに素晴らしい駅。
高い天井と窓から降り注ぐ光を見ると、まるで教会にいるような
すーっとした気分になる。

ぼんやりと眺めていて今頃気づいたけど、広告が一切ないのも
その理由の一つかな。
日本の駅は広告のポスターや掲示板だらけ、
そして蛍光灯の光が強烈だけど、
そういうケバケバしいものがないのも好きな理由だ。




まだ午前8時だけど、地下のフードコートが開いていたので、
早い朝ごはんをたべる。
ホウレンソウ&ベーコン&卵&チーズがモリモリ入った
プレスサンドマフィンと大好きなつぶつぶ入りのオレンジジュース。
マフィンが2ドル50セントに対して、オレンジジュースは
目の前で絞っていただけあって4ドル近かった。
ライブでつぶつぶが入ったところを見られたので、
まぁ4ドル払ってもいいか。

食事中に隣に座った人が、
「そのサンドイッチをどこで買ったのか」と聞いてきた。
随分素早いやりとりだったけど、あんまり考えずに答えていた
自分にウットリ(笑)ようやく英語に慣れてきた証拠だ。
英語がきちんと通じるなんて基本なんだけど、やっぱり嬉しいなあ。


Hudoson Lineはその名の通り、ハドソン川沿いを北上していく路線。
マンハッタンを流れていた川は、ちょっと北に行くとベッドタウンの間を流れ、
さらに行くと山や渓谷に囲まれたワイルドな川に変身する。
日曜日とあって、川沿いではカヌーを楽しむ人やハイキングをする人、
ベッドタウンではクラシックカーのイベントが開催されていたり、
のんびりした休日のアメリカの姿が見られて楽しかった!


そうしてやってきたのは、




Dia:Beaconという美術館。
Dia財団が所有する現代美術コレクションをまとめて
公開している場所です。

前職場で一緒だった、元ニューヨーカーで
元カイカイキキにいた女の子が、「東海岸なら、ここの研究施設が一番」と
言っていた場所で、その頃からとても気になっていた。
聞いた当時はまだ一般公開しているような状態ではなかったけど、
ここができて、是非とも来たいと思っていた。





館内の撮影は一切禁止。
もともとナビスコの工場だった場所をリノベーションして美術館空間に
したとあって、館内は超巨大です。

一部屋は大きなものだと体育館ほどの大きさがあり、
部屋ごとに、ウォーホル、ジャッド、ボイス、ハイザー、リヒターなどなど
大御所の作品が並びます。

開館直後だったからか、人もまばら。
巨大空間にゆったりと並ぶ作品をゆっくり向きあえるなんて、
本当に幸せなひと時。
工場の天窓から降り注ぐ自然光がまた良くて、
電灯のコントロールされた光ではなく、
太陽の光の中で作品を見る素晴らしさは初めて体感したような気がします。

特に大感動だったのが、セラの巨大立体。
太陽の光がさんさんと降り注ぐ空間いっぱいに置かれた
鉄板の作品が強烈で、監視員の人に怪しまれるほど、
何度も見に行ってしまった。

大げさだけど、感動して泣きたくなるほど。
これまで見た美術館の中で、間違いなくNO.1美術館です。
来て良かった!





感動しすぎて、乗るべき電車に乗り遅れました。
1時間に1本しか電車がないのに。手痛いミス!

どうやらビーコンという町のメインストリートは駅から離れている様子。
あんまり離れて、再び電車を乗り過ごすのも避けたいので、
仕方なく駅前に出ていたファーマーズマーケットで暇をつぶす。

パン屋さん、八百屋さん、マフィン屋さん、金物屋さん、ジャム屋さん・・・・。
何度眺めても5店舗だけ。
15分ほどで飽きてしまうラインナップ。あー、どうやって暇つぶそう。




ちょっと歩いてみても、この様子。
ただ高級住宅街が控えているらしく、こんなのどかな場所なのに
ベンツやBMWやらトヨタのいい車がばんばん通っていく。




猛烈な暑さ&空腹で、近くを歩いていたものの
寂しい気分になってきた。観念して駅にもどり、
現在凝っている「アップルシードル」をファーマーズマーケットでゲット。
こちらも大変美味しく、2ドルという安さ。
日本にもこういう飲み物がほしい!

しかし、飲み物では空腹は満たされず、
ホラ貝のような大きさの巨大クロワッサンを購入。
アメリカの大きなパンはたいてい美味しくない。
パリものは特に不味い。以前、巨大なマカロンを買ったのだけど、
砂糖の塊のようなザラザラとした食感と、
ハチミツをそのまま入れたようなネッチョリとした食感に、
一口でギブアップしたことがある。

巨大クロワッサンを食べて「案外イケる!」と思ったのは、
遭難並みにおなかが空いていたのか、
それとも本当に美味しかったのか、もはや判別がつかない。

とにかく、巨大クロワッサンは写真を撮る間もなく、
一気に食べてしまった。



ようやく、電車がやって来る時間。
駅のホームも賑わってきて、この1時間をしみじみと振り返ってしまう。
何もないホームをくまなくチェックしていると、
朝はなかったナゾの看板が登場。
ダンボール使いのプロ、日比野克彦さんも驚くであろう、
かなりDIY精神が息づいた看板です。

これはコーヒーショップをチェックせねば!




インパクト大の看板を掲げていたお店はこちらでした。
なーんだ。

ついでなので店内をチェックしたところ、黒人の店主と白人の客が
「××ペストリーはないのかよっ」的な言い争いをしているところだった。
しばし聞いていたものの、こんなパンのケンカに巻き込まれて電車でも
逃す事態になったらタイヘン!・・・とA型的心配が沸き起こり、
そそくさとお店から退散。

とにかく、電車に乗ってマンハッタンに戻りたいのです。


そうして約80分電車に揺られ、無事にマンハッタンに着いたのは
午後4時ごろ。




急いでマンハッタンに戻りたかったのは、ホイットニー美術館
開催されているダン・グレアムの展示が見たかったから。
今日を逃すと、週明けは帰国の時まで閉館なのだ。

急いで館に入ると、「閉館近いから料金はいらないよ」だって!!
18ドルもする入館料がタダとは素晴らしい。
とはいっても閉館まで1時間以上あったので、
比較的ゆっくり企画展を鑑賞する。

ダン・グレアムのまとまった展示を見たのは初めてだけど、
「大変前衛的」な展示がとてもホイットニー的。
解説の英文も難しく、理解可能な作品だけをスキップ気味でみていく。
彼の特徴でもあるミラーやビデオなど、
特殊な記憶装置を使った作品が体験できる。

一番ユニークなのは、時間のズレと画像を組み合わせた作品。
自分の後姿やさっきまでの行動が微妙にズレて鏡に映し出されていく。
見えるはずのないものが見える不思議さが、とても楽しい。

けれども、Dia:Beaconのパンチのある作品に集中したせいか、
文化系の集中力が欠けてしまった。
お昼がクロワッサンだけだったせいかな?





さて、レジデンスに一度もどってちょっと一休みした後、
出かけたのは34stの韓国人街。
24時間営業だという韓国料理屋さんで、
同時期にNYに来ていた友達と合流。
久しぶりに日本語が話せて、わーわーと盛り上がった。

お酒も飲んですっかり楽しい気分になり、
「NYのクラブに行って踊ってみたい!」と
はしゃいだけど、彼の友人に聞いてもらったり、
i-phoneで探せども探せども日曜日はことごとくクローズ。
うむむー、残念!

何はともあれ、すこぶる楽しい一日だった!