今日はとてもおかしな日だった。
夕方、仕事でお世話になったので、お礼を言いにとある古本屋さんへ
行った。店主と世間話をしているところにやって来た常連のAさん。
「あー、Aさん。お久しぶり。こちらSさん(私)。あ、Sさん、Aさんの生き様もね、本になるくらいスゴイんですよ」と
紹介されたところによると、過去の経歴はこんな感じ。
80年後半から90年代にかけてニューヨークでアーティスト活動、
(何時かは不明だけど)とある戦地で爆弾処理の科学部隊に入っていた。
その後、Italian VOGUEで記事を書いたり、
骨董の買い付けをしたりしている。
先日、来日していたとある大物ハリウッド俳優の通訳もしていたようで、
その瞬間にかろうじて、
「あ、あの映画、評判いいですよね」と言えた私。
こんな風にレールに全く乗らない生き方をしている人とお会いすると、
会社という非常に没個性な場所にいる私は戸惑ってしまい、
気の利いた一言もいえなくなる。
古本屋の店主が非常に柔らかな人で、3人の会話は弾んだわけだけど、
盛り上がったところで、
「Aさんは爆弾の知識は相当でね。東急ハンズにそろう素材くらいで、
都庁を爆破できるらしいです」という、嘘か本当かわからない話に、
「あら、丹下さんの建物は丈夫そうなのに、それはスゴイ!
ちなみに2つのタワーを同時に爆破ですか?」と
わけのわからない返ししかできなかった。
もう少し機転の利くお返事ができるようになりたいものです。
さて、家に帰ろうと地下鉄に乗っているとき、
遠くの車両に吊り下がる「BRUTUS」の中吊りがとても気になったのです。
いえ、今週の「本」特集にではなく、
その中吊りに出ていた名前にです。
見覚えのあるその名前、彼は私の同級生ではありませんか!
駅について真っ先に本屋さんへ。
極地建築空間として宇宙空間を研究していたのは建築専門誌「10+1」で
知っていましたが、なんと昨年から南極に行っていたのですね。
いやはや、本当に驚きました。
こういう突き抜けた活動をしている人の姿を知って、何とも嬉しい気分。
数年前、雑誌で彼の研究内容を見たときは、
正直「随分突拍子もないことをしているな」と思った。
でもそんな大多数の意見に揺るがず、
着々と学んできた人たちの研究が、何かしら実を結ぼうとしているなんて、
本当に誇らしいことです。
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