ベネチアビエンナーレを見るためだけに、今回のベネチア行きを
決めたわけだけど、大事な場所をすっかり忘れていました。
フランソワ・ピノー(Francois Pinault)財団の現代美術コレクション
「Punta Della Dogana」。
元々税関施設だった建物を安藤忠雄がリノベーションして、
2009年にオープンしました。
午前9時半にホテルを出て、開館時間をチェックしようと訪ねたら、
あと15分くらいでオープンらしいので、今日はここから活動を
開始することにしました。
開館を待っている間、「どこから来たの」「何しにベニスに?」と
なんとなく打ち解けてしまうのが外国のいいところ。
気になったのはこのおばさま。
ぱっと見たところ60overな雰囲気だけど、体にフィットした
ヒョウ柄ワンピース&シャネルのサンダルを着こなすなんて、さすがです。
フランス・ニースから美術を見にきたらしいのです。
かっこいい!
いよいよ開館。ここから館内は写真撮影禁止。
もー、本当にいい美術館だった。
昨日に続き、美術館にいる間中、鳥肌が立ちっぱなしでした。
安藤さんのリノベーションも、「どこが安藤さん?」と思うような
控えめさが逆によかった。
フェリックス・ゴンザレス=トレス、レイチェル・ホワイトリード、
ジグマール・ポルケ・・・などなど。日本人は村上隆と杉本博司。
美術館を出てもしばらく腕のぼつぼつがおさまらなかった。
朝からいいものを真剣にみたので、ちょっと疲れ気味で
ビエンナーレの会場に。
Andres Jaque Arquitectos
Tom Sachs
大好きな作家。ラッキー。
Do ho Suh + Suh Architecture
建築チームも持ってるの?知らなかった!
Atelier Bow-Wow
建築っぽいグループが真剣に見学中。
カフェも凝ってる。
フィンランド館。すてきだ。
本屋さんはAaltoが設計。
学生時代にきたときは、外から見るだけだったけど、
明りがついた室内も見られて感激だ!
スカルパのベネズエラ館。 かっこいい!
(なぞの)ロシア館。
ドアをあけるといきなり現れる超絶技巧の風景画。
いきなりすぎてまず驚き、数分してもやっぱりわからず、
みんな苦笑いで外に出ていく。
超写実的な風景画でロシアっぽい。
いよいよ日本館。
展示の趣旨が来場者に伝わっているのかは疑問だけど、
他の国にはないプレゼンテーションでおもしろかった。
内容は・・・なんだか「10+1」(建築の雑誌)っぽい。
海外の人には「メタボリズム」という日本の建築概念が
珍しかったかもしれないけど、50年も前のキーワードをなぜとりあげたのか、
私にはなかなかしっくり来ない。
とりあえず、外からしか見たことがなかった日本館の中を
見学できてよかった。
若々しい監視員も印象的だった。
みなさん、どこかの建築学生なのかな?
イタリア人建築家っぽい夫婦。
見学場所だけで、80近いジャルディーノ会場。
4時間ちかくかけてほぼ全部みてまわったけど、昨日のアルセナーレ会場
よりはずいぶん建築っぽい(当然か)から、最後のほうはちょっと飽き気味。
見る集中力がなくなってしまった。
おなかもすいたことだし、サンマルコ広場に戻ることにした。
「建築展」といいながらアートの要素が強いことには
ずいぶんと批判もあったようだけど、個人的にはそこがよかった。
ここでしか味わえない時間や空間に身を置けたことが個人的な大収穫。
そういう展示だったからか、建築関係じゃなさそうな人がたくさん
見に来ていたことも印象的だった。子ども連れも結構いたし。
アメリカ、フランス、スペイン、韓国・・・といろいろな国の人にあったけど、
世界どこでもいると思ってた日本人には2日間とも出会わなかった。
珍しい!
とにかく天気がいいベネチア。連日青空で、本当にラッキー。
昼間は長袖1枚で汗ばむほどです。
歩いていたらよさそうなオープンカフェを見つけたので、お昼ごはんを
食べることにした。
2日間、野菜といったらジャガイモしか食べていなかったので、
「エビのサラダ」を頼みました。たしかビールと合わせて16ユーロくらい。
昨夜のバールに比べると、ずいぶん高い!
日本の「イタリアンドレッシング」なんてイタリアにはなく、
「勝手に味付けして」とばかりに、
オリーブオイルとバルサミコ、塩コショウが出てきます。
天気がいいからビールがおいしい。
ちょっと休んで元気になったので、散歩がてら
ペギー・グッゲンハイム美術館に行くことにしました。
行きすがらみつけた靴屋。
かなり魅力的な柄のスリッポンがたくさん(とくにイチゴ柄)!
1足20ユーロだったけど、ちゃちっぽい作りで買うのは断念。
とあるギャラリーで、なんと東恩納さんの展示が!
遠いベネチアで会うなんて驚きだ。
グッゲンハイム美術館は相変わらず素敵な美術館でした。
金曜日のこの日は、「チャリティーデー」だった。ラッキー。
美術館を見終わったあと、おやつを食べに目当てのジェラート屋さんに
向かう途中、いい感じの建築本専門店を見つけました。
立ち読みしていたところ、今朝行った「Punta Della Dogana」の姉妹美術館、
「Palazzo Glassi」があることを知りました。
Punta Della Doganaのチケット売り場で名前は見ていたけど、
「Glassi」というから、ベネチアングラスの何かかと勘違い。
しかし、本で見る限り、こちらも猛烈にすごい現代美術が展示してあるようで、
大慌てで美術館に急ぐ。
閉館1時間前、ぎりぎり入場。
おかげで2倍のお値段を支払うはめになったけど、
(2館セットで買うと安くて済んだ)こちらも本当に、本当にいい美術館だった。
なかでも一番よかったのが、自分でもびっくりだけど村上隆。
NYでも、ここベネチアでも、「力の入れ加減が日本とは違うんじゃない?」と
思うほど、圧倒的な作品が多くて、しばらく作品の前でぼんやりしてしまう。
窓の外にはゴンドラや特別な柱で囲まれたベネチアの建物が
並んでいて、とにかく「ずるい!」と思う素晴らしいシチュエーションなのです。
日が暮れてきました。
午後7時。
ごはん前にもうひと遊びしたいと思い、
イタリアのスーパーマーケットをチェックしにきました。
気になるパッケージの食べ物を発見。
調味料売り場にあったんだけど、一体何に使うものなのか。
陽気な感じがむんむんします。
イタリア最後の夜なので、ピザかパスタのどちらかは食べておきたいと、
さっき、歩いている最中に見つけた雰囲気のよいピザ屋さんに行ってみる。
すると、「雰囲気がいいな」という気持ちは万国共通だったようで、
地元の人と観光客で外まで行列があふれている!
仕方ないのでこの店はあきらめ、なんとなく混雑していたお店に
フラッと入ってみる。
昨夜はこの方式でうまくいったものだけど、この日は大ハズレ。
サイゼリヤのピザのほうが安いし美味しいかも。
午後11時、ホテルに戻って荷物をまとめる。
明日からロンドンです。
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