2010年10月17日

Oct 10th London 2nd day


ホテルの朝ごはん。割と普通です。
アメリカは食パンがぱさぱさで驚いちゃうけど、
イギリスは意外としっとり。おいしかった。



噂には聞いていたけど、ロンドンのホテルでは、
本当に掃除機の「HENRY君」が活躍していました。
びっくり!



今日はロンドン在住の同級生と朝から日曜日のアンティークマーケットを
散策しました。
昨日、慌てていったポートベローマーケットは、アンティークというか
ただの物売り市みたいな状態だったけど、
今日来たスピタルフィールズもやや同じレベル。
ウロウロしたけど特別な収穫はなし。
ロンドンなのに、美味しそうなベーグル屋さんがありました。


昔は治安が悪かったというこの場所は、どんどんオシャレスポットが
増えている模様。
クウネルっぽい雑貨屋さんや、


コンラン卿プロデュースのカフェもある。
ただ、どこもここも、よくいえば上品な感じ、悪く言えば東京にも同じような
場所はある。

さて、お昼の時間。
同級生のルームメイトRobyも加わり、一緒にランチすることになりました。
もちろんお昼からビールです。


「ロンドンに来たらサンデーローストでしょ」と言われたので、
指示通りサンデーロースト(ヨークシャープディング付き)と、
分厚いハムを焼いたようなプレートをみんなでシェアする。

念願のフィッシュ&チップス、おいしかった!
期待したビーフのサンデーローストは、
「すみませ~ん、ビーフを注文しましたけど」と言いそうになるような、
牛っぽくないお肉。
お肉の種類が選べたので、ローストビーフのような血が滴るような
レアの牛肉を想像したけど、焼きすぎなのかお肉の色が灰色で、
のどが詰まりそうなほどパサパサしている。

アメリカのお肉は「これを食べて狂牛病になったって仕方ない」と思うほど
美味しいものだけど、これを食べて万が一狂牛病になったら
悔やんでも悔やみきれない。



お昼を食べたあと、ハイドパークを散策していたところ、
なんとビックリ、池を泳いでいるおじさんを発見しました。
地元のRobyも「クレイジー」と言っているので、
東京で言うと、井の頭公園の池で泳ぐようなものかな。

「ネッシーじゃなくて、ハッシーだね」と同級生と話していたら、
Robyにウケたのが意外だった。
英語でもこんなややオヤジギャグっぽいニュアンスが伝わるんだ。



さて、今回の旅の二つ目の目的に到着!



 Serpentain Gallery Summer Pavillion By Jean Nouvel



建物の前に卓球台があって、私たちも参加したかったけど、
なんと予約制で今日は満席らしい。残念。



結局、日が暮れるまでハイドパークにいました。

さてさて。ここから妙な方向に。
「ロンドンに来てやりたいことは?」と聞かれたから、
「覆面アーティストのBanksyの作品が見たい」と言ったら、
Robyが「僕も大好きだし、みたい」と。
サイトにアップされていた「Banksy 作品マップ」を頼りに、
ロンドンのあちこちに行ってみたけど、工事中だったり、
建物が新しくなっていたり。
当然、あんな一過性のゲリラ作品を地図通りに見つけることができず。

言いだしっぺは私だけど、Robyの「見つからないな。じゃあ次だ!」と
グングン探し続ける強靭なガッツに付き合いきれず。
「もう別な日にしよう」と説得し、ディナーを食べにいきました。
足が折れるかと思った。


そのBanksy worksを捜索中、偶然見つけた配送所。
素晴らしい !


くたくたになって、なんとなく入ったこのお店。
住宅地にあるカフェかと思ったら、結構有名なガストロ・パブ
「The Easton」というお店だった。



手前のRobyは香港生まれ。
ロンドンに10年も住んでいて、なんとロンドンに持ち家がある!
半日一緒にいたけど、ユーモアのあるナイスガイでした。
奥はRobyの写真クラブの仲間だって(笑)
写真クラブってなに?



何の魚かわからず頼んだら、どーんと1匹、白身魚のグリルが
出てきました。
ピラニアっぽいけど、とても美味しかった。
食べたことがないけど、たぶんピラニアもこんな味じゃないかと
思ってしまうような味。



ついでに頼んだタルトタタンもすっごい美味しかった!



私が頼んだチキン&キノコのポットパイ。
ロンドンとは思えない美味しさ(失礼!)でした。
これで10ポンドだとしたら、やはりオトレンギは高すぎる。

このままあれこれ話して、帰ったのは日付を超えたころ。
楽しい1日だった。

2010年10月14日

Oct 9th Venice→London 1st day


今日もいい天気そうなイタリアの朝。



午前7時、ちょっと早く起きたのでホテル近所をウロウロしていると、
町のあちこちにあるカフェはもう開いていて、お客さんでにぎわっていた。
毎日ホテルの朝食もつまらないので、今朝は近所のバールで
カプチーノと甘いクロワッサンを食べてみた。
これで2.5ユーロ。
観光客がいない店だと、やっぱり物価が安いみたい。

恰幅のいいおばちゃんがいれてくれたカプチーノは、
1ユーロとは思えないおいしさ!
車が通っていないから、周囲から聞こえる音といえば、
あっちこっちから聞こえる「ボンジョルノ!」というあいさつの声と、
イタリア語のラジオくらい。
ベネチアの人には当たり前なんだろうけど、始終車の音を聞いて
生活している私には、この静かな朝にひたすら感動してしまう。



日本にはがきを送ることにしました。




日本人がイタリア人をお手本に、ティアドロップのサングラスをかけたり、
白いシャツの襟を立てたりしていると、思わず笑ってしまうけど、
イタリアにきたらそんなことは日常茶飯事であることがよくわかりました。

開襟シャツから胸毛を出していたり、素足にモカシンをはいていたり。
水上タクシーの運転手さんだって、こんなにティアドロップのサングラスが
お似合い!そしてかっこいい!

そんなこんなで、「ちょっと寄った」つもりのイタリアをだいぶ満喫しました。
3歩歩けば写真を撮りたくなるような風景が広がっていて、
カメラをカバンに戻す暇がなかったほど。
朝のすがすがしい空気に思わず深呼吸し、
太陽がカンカン照りになる昼間にビールを飲み、
温かな光に照らされた夜の町にうっとり。
地図を見ず、なんとなく迷ってみたり、ベンチに座ってぼーっとしたり。
最高の建築&美術が見られたこともよかったけど、
それ以上に、余白の部分を存分に楽しんだ2日間でした。

と・・・余韻にひたっていたのもつかの間、

余裕をもって2時間半前に到着した空港が、
なんだかバーゲン会場のような混雑ぶり。
世界から殺到する観光客の割に、案外とこじんまりしている空港では、
お客さんの処理能力に限界があるようです。
待てどもチェックインカウンターの指示が出ず、そのうちお客さん同士で、
「あなた、どこのフライト?」と予約表を見せ合い、
「あの人も同じフライトなのに、チェックインしてないんだ」と
安心しあってみる。

待つこと1時間。
ようやく開いたカウンターは、乗客が200人近くいる飛行機なのに、
なんと1箇所! あ・り・え・な・い!
それがこの写真。遠くのほうに小さく見えるのがカウンター。
おじいちゃん・おばあちゃんたちを蹴散らし、真っ先に向かったはずなのに、
行列の真ん中あたりでした。それから待つこと2時間。
ボーディングパスを手に、ダッシュでゲートに向かわないと
置いていかれそうな状態でした(実際、10分後くらいにゲートが閉まった)。
ドアが閉まりかけた小田急線に飛び乗るような、そんな感じ。
いやー、ヨーロッパだなあ。

ちなみに、私は事前にチェックインしていて、ボーディングパスも
日本から印刷して持っていたのに、
「ユーロ圏のパスポートじゃないから、このまま行列に並んでください」って。
ホームページで散々「エクスプレスチェックインを」と呼びかけていたのに、
まるで意味ないじゃないか!と、文句を言ってみると、
「10ユーロ追加すると、エクスプレスカウンターにご案内できます」だって!
なんという失礼なサービス。
私はまだしも、前後に並んでいたおじいちゃん・おばあちゃん連中を
2時間も立ちっぱなしにさせるなんて。
これで救急車でも出動するような騒ぎになったら、訴訟ものだろうな。


と、ベニスの空港で予想外に疲れたけど、定刻通りにロンドンに到着。
ところが!
なんとイギリス入国審査でまたも尋問、尋問・・・。
入国審査のゲートに、ついに私一人だけになってしまった。
今回もかなり疑われて、土下座してなんとかなるなら土下座したい気分に。
ただ、繰り返し同じような質問をされるので、気が強い私でも
「私、普通の人です」と泣き出しそうになった。
イギリス入国は一人だとこんなに大変なの???
ついでに荷物もなかなか出てこなくて、空港を出るのに1時間半後くらいかかった。



ロンドンについて、まずしたことと言えば、パブに行ってビール。
出国→入国と手こずってすっかり疲弊したので、パワーをチャージしようと
ホテルに荷物を置いて、小走りでパブにやってきました。
ノッティングヒルにある、「The Churchill Arms」というお店だったけど、
本当に素敵なお店でした。
さっそくフィッシュ&チップスを頼んだところ、なんと「売り切れ」!ギャフン!

顔をゆがめて売り切れを悲しんだ私を可哀そうだと思ったのか、
隣のおじさんが、「美味しいお店がこのあたりにあるよ」と優しいアドバイス。
一気にロンドンが好きになりました(単純!)。



ガイドによると、パブの近くにオシャレなお惣菜屋さんがあるとのこと。
行ってみると確かにオシャレ!
「OTTOLENGHI(オトレンギ)」というお店です。



お店は美味しそうなお惣菜であふれていました。
陳列方法といい、おかずのカラフルさといい、
ついでにお店の人もとてもチャーミング。
こんなお店が日本にもあったらいいのに、と思うような
素敵なお店でした。



「すてき、すてき」と胸を躍らせていたのはここまで。
おなかがすいていたこともあり、「これも、あれも」と注文したところ、
お会計の時、何度も「ソーリー?」と聞き返してしまうようなお値段が。
この写真の通り、2箱でなんと驚きの23ポンド(3000円)。
今年一番、口をあけて驚いたことかも。

「すみません、ブロッコリーを2つお返しします」と言いたくなりました。
返さなかったけど。
「3000円」にすっかり動揺しちゃって、味はなんだか覚えていません。
たぶん、感動するような味ではなくて、「がんばれば私もこれくらい」的な
感想を抱いた覚えが。
おしゃれなオトレンギ、怖い!



約束場所で相方と合流し、夜間開館をしているテートモダンにきました。
何年も前からこの場所に来ることを夢見ていました。
有名なタービンホールに立つだけで、感動でブルブル。

2時間ばかり、ぐるっと見てきました。
感想は、「期待しすぎた」。
タービンホールと外観はよかったけど、美術館としてはイマイチ。
「年代別」ではなく「ジャンル別」で展示する方法も個人的には
しっくりこなかったし、作品の展示の仕方もなんだか好きになれなかった。
なにより、デパートのような混雑ぶりと、展示室のガチャガチャした感じに
疲れてしまった。 残念:(



やっぱり夜は寒いロンドン。冬のコートを持ってきてよかった。
ホテルに戻って、ロンドン在住の友達とチャット。
明日、会う場所を決める。

2010年10月13日

Oct 8th Venice 2nd day


ベネチアビエンナーレを見るためだけに、今回のベネチア行きを
決めたわけだけど、大事な場所をすっかり忘れていました。
フランソワ・ピノーFrancois Pinault財団の現代美術コレクション
Punta Della Dogana」。
元々税関施設だった建物を安藤忠雄がリノベーションして、
2009年にオープンしました。

午前9時半にホテルを出て、開館時間をチェックしようと訪ねたら、
あと15分くらいでオープンらしいので、今日はここから活動を
開始することにしました。



開館を待っている間、「どこから来たの」「何しにベニスに?」と
なんとなく打ち解けてしまうのが外国のいいところ。
気になったのはこのおばさま。
ぱっと見たところ60overな雰囲気だけど、体にフィットした
ヒョウ柄ワンピース&シャネルのサンダルを着こなすなんて、さすがです。
フランス・ニースから美術を見にきたらしいのです。
かっこいい!



いよいよ開館。ここから館内は写真撮影禁止。

もー、本当にいい美術館だった。
昨日に続き、美術館にいる間中、鳥肌が立ちっぱなしでした。
安藤さんのリノベーションも、「どこが安藤さん?」と思うような
控えめさが逆によかった。
フェリックス・ゴンザレス=トレス、レイチェル・ホワイトリード、
ジグマール・ポルケ・・・などなど。日本人は村上隆と杉本博司。
美術館を出てもしばらく腕のぼつぼつがおさまらなかった。



朝からいいものを真剣にみたので、ちょっと疲れ気味で
ビエンナーレの会場に。


Andres Jaque Arquitectos


Tom Sachs
大好きな作家。ラッキー。


Do ho Suh + Suh Architecture
建築チームも持ってるの?知らなかった!


Atelier Bow-Wow
建築っぽいグループが真剣に見学中。




カフェも凝ってる。



フィンランド館。すてきだ。



本屋さんはAaltoが設計。
学生時代にきたときは、外から見るだけだったけど、
明りがついた室内も見られて感激だ!



スカルパのベネズエラ館。 かっこいい!



(なぞの)ロシア館。
ドアをあけるといきなり現れる超絶技巧の風景画。
いきなりすぎてまず驚き、数分してもやっぱりわからず、
みんな苦笑いで外に出ていく。
超写実的な風景画でロシアっぽい。


いよいよ日本館。




展示の趣旨が来場者に伝わっているのかは疑問だけど、
他の国にはないプレゼンテーションでおもしろかった。
内容は・・・なんだか「10+1」(建築の雑誌)っぽい。
海外の人には「メタボリズム」という日本の建築概念が
珍しかったかもしれないけど、50年も前のキーワードをなぜとりあげたのか、
私にはなかなかしっくり来ない。

とりあえず、外からしか見たことがなかった日本館の中を
見学できてよかった。



若々しい監視員も印象的だった。
みなさん、どこかの建築学生なのかな?



イタリア人建築家っぽい夫婦。

見学場所だけで、80近いジャルディーノ会場。
4時間ちかくかけてほぼ全部みてまわったけど、昨日のアルセナーレ会場
よりはずいぶん建築っぽい(当然か)から、最後のほうはちょっと飽き気味。
見る集中力がなくなってしまった。
おなかもすいたことだし、サンマルコ広場に戻ることにした。

「建築展」といいながらアートの要素が強いことには
ずいぶんと批判もあったようだけど、個人的にはそこがよかった。
ここでしか味わえない時間や空間に身を置けたことが個人的な大収穫。
そういう展示だったからか、建築関係じゃなさそうな人がたくさん
見に来ていたことも印象的だった。子ども連れも結構いたし。
アメリカ、フランス、スペイン、韓国・・・といろいろな国の人にあったけど、
世界どこでもいると思ってた日本人には2日間とも出会わなかった。
珍しい!



とにかく天気がいいベネチア。連日青空で、本当にラッキー。
昼間は長袖1枚で汗ばむほどです。



歩いていたらよさそうなオープンカフェを見つけたので、お昼ごはんを
食べることにした。
2日間、野菜といったらジャガイモしか食べていなかったので、
「エビのサラダ」を頼みました。たしかビールと合わせて16ユーロくらい。
昨夜のバールに比べると、ずいぶん高い!

日本の「イタリアンドレッシング」なんてイタリアにはなく、
「勝手に味付けして」とばかりに、
オリーブオイルとバルサミコ、塩コショウが出てきます。
天気がいいからビールがおいしい。

ちょっと休んで元気になったので、散歩がてら
ペギー・グッゲンハイム美術館に行くことにしました。



行きすがらみつけた靴屋。
かなり魅力的な柄のスリッポンがたくさん(とくにイチゴ柄)!
1足20ユーロだったけど、ちゃちっぽい作りで買うのは断念。



とあるギャラリーで、なんと東恩納さんの展示が!
遠いベネチアで会うなんて驚きだ。



グッゲンハイム美術館は相変わらず素敵な美術館でした。
金曜日のこの日は、「チャリティーデー」だった。ラッキー。



 美術館を見終わったあと、おやつを食べに目当てのジェラート屋さんに
向かう途中、いい感じの建築本専門店を見つけました。
立ち読みしていたところ、今朝行った「Punta Della Dogana」の姉妹美術館、
「Palazzo Glassi」があることを知りました。
Punta Della Doganaのチケット売り場で名前は見ていたけど、
「Glassi」というから、ベネチアングラスの何かかと勘違い。
しかし、本で見る限り、こちらも猛烈にすごい現代美術が展示してあるようで、
大慌てで美術館に急ぐ。



閉館1時間前、ぎりぎり入場。
おかげで2倍のお値段を支払うはめになったけど、
(2館セットで買うと安くて済んだ)こちらも本当に、本当にいい美術館だった。
なかでも一番よかったのが、自分でもびっくりだけど村上隆。
NYでも、ここベネチアでも、「力の入れ加減が日本とは違うんじゃない?」と
思うほど、圧倒的な作品が多くて、しばらく作品の前でぼんやりしてしまう。
窓の外にはゴンドラや特別な柱で囲まれたベネチアの建物が
並んでいて、とにかく「ずるい!」と思う素晴らしいシチュエーションなのです。


日が暮れてきました。



午後7時。
ごはん前にもうひと遊びしたいと思い、



イタリアのスーパーマーケットをチェックしにきました。



気になるパッケージの食べ物を発見。
調味料売り場にあったんだけど、一体何に使うものなのか。
陽気な感じがむんむんします。



さて、いよいよ晩ごはん。
イタリア最後の夜なので、ピザかパスタのどちらかは食べておきたいと、
さっき、歩いている最中に見つけた雰囲気のよいピザ屋さんに行ってみる。
すると、「雰囲気がいいな」という気持ちは万国共通だったようで、
地元の人と観光客で外まで行列があふれている!

仕方ないのでこの店はあきらめ、なんとなく混雑していたお店に
フラッと入ってみる。
昨夜はこの方式でうまくいったものだけど、この日は大ハズレ。
サイゼリヤのピザのほうが安いし美味しいかも。

午後11時、ホテルに戻って荷物をまとめる。
明日からロンドンです。